こんにちは、ハバタクの長井です。
今年はじめに「創業してからだいたい1年だから振り返りをしてみよう」と思って書いた記事がありました。このエントリーはその続編として、2年目終了時点での振り返りを書いてみようと思います。ただし、ふわっとした感想のようなものを書いてもこれを読んでくださる方に還元できることが少ないと思いますので、前回に引き続きなるべくファクトにもとづいた書き方でいってみようと思います。
ベンチャー経営に興味のある方、「あるある」あるいは「へぇ〜」をお求めの方、ハバタクって中身どうなってるの??と疑問に思われている方などにご一読いただけたら幸いです。
ファクト1: 当初の予定通り実現したビジネスは全体の30%
この数字はハバタクが通年で管理している「こんなことをやっていこう/やっていきたい」というプロジェクト一覧のうち、実現したものの個数を数えたものです。
一昨年度は22個中3個の14%という数字でしたが、昨年度は44個中13個で約30%。”成功確率”としては倍になりました。
一昨年度よりもこの数字が伸びた要因としては、
- 3.11のような大規模な外部要因が発生しなかった
というのもあると思いますが、
- お客様のリピートが生まれてきた
- 事例が蓄積して信頼感が向上した
といった理由で案件の確度が上がってきたことが大きいと思われます。
したがって、この数字が向上することは基本的に嬉しいことと思うのですが、事業を常に新しく生み出していくためのR&Dは必ず必要になりますので100%を目指せば良いというものでもないのは確かです。その意味で引き続き興味深くウォッチしていきたいなと考えています。
どちらかというと、私が個人的に驚いたのは計画上のプロジェクト数が一昨年度に比べて倍になっていることのほうです。体感的にはそんなに抱えている案件が増えたイメージはなかったのですが…。この点については次項と併せて書きたいと思います。
次はプロジェクトの数ではなく、お付き合いさせていただいているパートナーさんの数で変化を見てみたいと思います。単純に名刺交換をしただけでなく、膝を突き合わせて事業を検討している、あるいは実際に事業を推進しているパートナーさん(形態は企業・団体・個人、いずれも含みます)は一昨年度12に対して昨年度34と2.7倍にも増えました。
よく「ハバタクはたった3人でどう仕事を回してるの?」と聞かれることがありますが、実際にはハバタク単体で推進している事業は非常に少ないです。ビジョンの共感するパートナーさんと互いの得意を持ち寄り、事業を共創していくスタイルが圧倒的に多いのです。変化の激しい現代、規模の経済を追いかけて体を大きくして動きが鈍くなるよりは、少人数チームで機動力を保ったままパートナーシップでつながっていくことで大きなインパクトを狙いたい、と考えています。
それにしても会社の人数が増えていないのにパートナーの数が増えすぎではないか…という疑問に対しては、「各人のハバタクの3人の独立性/専門性が高まり、個々でのプロジェクト運営ができるようになってきたから」というお答えになると思います。一昨年度まではいずれの案件も2人1組でチームを組んで動いていたのですが、昨年度は最初からだれか1人がメインでプロジェクトを進め、他の2人がレビュアーとして機能するようになりました。
さらに言うと、学生メンバーの皆さんの奮闘も大きな要因です。これは別のエントリーでも書こうと思っているのですが、ハバタクとしては「学生ならではの強み、幅広い体験を活かす」ことでむしろ私たち3人より重要な役割を担ってもらえる可能性が多々あるはず、と常に考えています。特に私が多く担当したEducation 3.0 Projectの一環での授業企画・運営では、語学や学童保育の経験など私がまったく持ち合わせていない能力で強力なサポートをおこなっていただきました。この意味で、学生メンバーのひとりひとりもハバタクのパートナーと考えても良いのでは、とすら思います。これもひとつの「ビジネス共創」のかたちとして、今後も継続したいスタイルです。
ファクト3: オフィスにいたのは稼働時間の22%
最後に、「どのくらい自分たちの席に座っていたか?」というデータをGoogleカレンダーベースで取ってみました。昨年度は、週平均で1日強はオフィスにいたようです。職種にもよるかと思いますが、一般的な会社の平均よりはだいぶ外に出かけているのだろうと思います。
こうした数字になっている要因は前述のとおり
- 全員が経営者でありプレーヤーだから(いわゆるスタッフがいない)
- 外部パートナーさんとの打ち合わせが多いから
ということに加えて
- 事業の新しい種を探しに国内外を移動していることが多いから
という点もかなり大きいです。
また、メンバーによっては
- 同じ場所で仕事をしていられない(飽きる)
という主張をする人もいますが…。
実際、大方の知見を共有している社内のメンバーで集まって話をするよりも、多様なバックグラウンドをもつ社外の方と話すほうがより発想の幅が広がります。また国外の活動においても国名や都市名でざっくり捉えるのではなく、個人と個人で顔の見える関係を築くことこそがビジネス共創の大切な一歩であるということもこの1年で身に沁みた点でした。
その意味でこの数字は適度な低さを保っていくのが、ハバタクとしては健全なのだろうなと考えています(もちろん、人と会って話すばかりで手を動かせなくなったらクリエイティブ集団としては失格だと思います。NATOにならないようにと肝に銘ずるばかりです)。
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さて、今回は3つのファクトをご紹介しながら昨年度1年間を振り返ってみました。ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。皆さんの職場/会社ではいかがでしょうか?ぜひレスポンスをくださったら嬉しいです。
こうした振り返りを踏まえて、話の焦点は第3期のハバタクはどうしていくのか/いきたいのか?という点に移っていくわけですが、こちらは丑田が準備を進めているようですのでそちらのエントリーに引き継ぎたいと思います。
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私自身の総括としては、ハバタクの第2期はいろいろな面で「らしさ」を表現できはじめた年だったなと思います。第3期はこれらの「らしさ」を表面的な「珍しさ」で終わらせず、世界にユニークな価値を生み出すための必然的な「スタイル」として定着させていきたいと考えています。