Cross Border Incubation Platform、間もなく始動!


シンチャオ!こんにちは。ハバタク小原です。
8月9月とあちらこちらに出張しておりましたが、久しぶりに1か月ほどホーチミンに腰を据えられそうです。
あちこち飛び回るのもよいですが、転石苔生さず。たまにはどっしり構える時間も必要ですね。

さて、和僑プロジェクトでは日本とベトナムを中心とするメコン圏をフィールドとした新たな取り組みを開始します。

その名も、

Cross Border Incubation Platform (略称:XIP クロシップ)

です。

今回はこのXIPに懸ける想いを書いてみたいと思います。

—–

XIPとは、新興国の様々な社会問題をビジネスで解決しようと奮闘するイノベーター達と日本の若者がタッグを組み、国内の経験豊富なミドル・シニア層からバックアップを受けながら、社会変革に挑む取り組みです。

このアイデアはメコン地域のイノベータ達との出会いから始まりました。

新興国イノベータとの出会いと日本の持つチカラ

    1.草の根で活動する新興国のイノベータたち

    経済成長を続ける東南アジア各国。経済成長率は10%を超える国もあり、その勢いはとどまることを知りません。
    その一方で、電気や水道、医療、福祉といったファンダメンタルな生活環境すら整っていないといった、深刻なSocial issueを抱えているのも事実です。

    日本でもJICAをはじめとする国際協力機構が、各国への援助を行ってきました。
    そして長年にわたる多額の資金・技術供与は、多大な成果を出しています。

    しかし、その支援の在り方が変わろうとしています。

    従来のボランティア・チャリティベースの活動では、技術支援の期間や支援の金が終了すると同時に問題解決の取り組みが止まってしまう、と言うことが起きています。
    返済義務のない無償の支援では、現地の人々自身の手で、問題に取り組むという当事者としての自覚やそのための体制づくりまで実現できていないのが現状なのです。
    そうした現状を受け、如何に持続的・自律的な社会問題解決を実現するかという点への検討がなされ始めました。
    こうして、社会的な問題を解決しながらも、活動に係るコストは自ら稼いでいく、ビジネスをベースにした社会問題へのアプローチが出てきたのです。

    そしてこれは、先進国だけの話ではありません。
    自らの目の前にある問題の解決に、自らの手で取り組んでいる新興国のイノベータ達がたくさんいます。

    僕はメコン圏各国を訪問する中で、知恵・アイデアを絞り、いきいきと問題解決に取り組んでいる人々と出会いました。
    自らの問題だからこそ、彼・彼女たちの取り組みに懸ける情熱は素晴らしく、アイデアも多彩です。

    しかし、問題もあります。
    自らの目の前にある問題への意識、解決意欲は高い彼・彼女たちですが、多くの場合、思いを継続的なビジネスの仕組みとして実現していく力・経験・知識が圧倒的に足りないのです。
    その結果、最小限の規模でしか活動が出来ずスケーラビリティがない、持続性がなく成果が出来る前につぶれてしまう、という問題です。

    そんな彼・彼女たちの想い、今後の事業展開プランや、今必要なもの等についてインタビューを重ねました。
    創意工夫と情熱あふれるイノベータですが、事業拡大のためにはやはり資金が必要だと言います。新興国の金融機関は金利も高く、彼らが資金調達するには適さないのです。
    また、それと同時にに、日本がこれまで培ってきた知識や、ビジネスの知見をシェアしてほしいと言われました。彼・彼女たち自身が、ビジネス部分の力不足を痛感しているのです。

    こうした出会いを通じて、僕が、ハバタクが、そして日本が彼・彼女らに出来ることは何かと考えるようになりました。

    ・・・そして、今必要とされているものが日本が今まで蓄積してきたではないか、と思い立ったのです。
    XIP誕生の産声を聞いた瞬間でした。

    2.次世代リーダーに求められる、生存力とアウトプット力

    世界に羽ばたく冒険者=和僑を増やす。
    これは創業時から変わらぬハバタクのビジョンです。

    変化の振幅・スピードの激しいこれからの時代を担っていく、これからの和僑には大きく次の二つの力が必要なのではないか、と思います。

    1. 【生存力】価値観、文化、生活様式が異なる環境で、多様な人々と共創し、いきいきと自分らしく生きていく力
    2. 【アウトプット力】 どのようなフィールドにおいても、求められた成果以上のアウトプットを出し続ける力

    2のアウトプット力は社会に出れば、否応なく徹底的に鍛えられる力であり、今も昔も変わらず必要とされる力です。

    1の生存力については、現状の日本で難しい点があります。
    それは所属する集団・コミュニティの多様性の乏しさです。
    世界のフラット化、グローバル化が進むビジネス環境において、多種多様な人々との協業は避けては通れません。

    しかし、島国日本は他国と比べて圧倒的にその多様性が乏しいのです。
    ほぼ100%日本人で構成されるコミュニティ。集団受験・集団就職と学生の間は年齢の多様性すらほとんどありません。
    そういった環境で育った人が、いきなり多様性の海に放り込まれても、泳ぎ切るのは困難です。
    まして対するは人種・民族が入り乱れる環境で育ってきた人々。百戦錬磨のつわものたちです。

    意識的に早いうちから多様性の海へと飛び込み、そこでの泳ぎ方(生存力)を身に付けなければいけません。

    さて、前述の新興国のイノベータ達。
    自らの内側から湧き上がる想いを原動力に、社会変革に取り組む。自分自身に足りない力は周りを巻き込み、共創しながらアウトプットしていく。
    彼らが日々奮闘している世界は、日本の若者がこれから飛び込んでいくフィールドそのものでした。

    XIPは、新興国のイノベータとの共創を通じた生存力・アウトプット力の獲得機会を日本の若者に提供します。

    具体的には、新興国で社会問題解決に取り組むイノベータの元に、経営メンバーとして日本の若者が参画します。
    ビジネスを創っていくわけですから、1週間や1,2か月という短期ではありません。最低でも1年は現地にコミットし、とことん現地で泥臭く駆け回ってもらいます。

    そうした泥臭いプロジェクトを通じ、生存力とアウトプット力を徹底的に鍛えることで、これからの時代を担うリーダーが生まれてくると信じています。

    ところで、ここで疑問を持たれる方がいるかもしれません。
    生存力に関しては、海外に飛び込み現地の人々と共に生活することで、多様な価値観に触れることで、豊かな感受性やコミュニケーションの基盤が形成され、自らの描いた道に向かって活き活きと歩んでいく力を獲得できるでしょう。

    しかし、ビジネス経験の乏しい現地イノベータと学生あるいは卒業したばかりの若者が集まったところで、グローバルなビジネス環境で求められるアウトプットする力が身に付くでしょうか。

    このままでは、従来の海外留学やインターンシップと大きな差はないように思われます。

    ・・・この問題のカギを持っているのが、日本国内に居るミドル・シニア層です。

    3.ミドル・シニア層の活躍

    経済成長は鈍化し、東南アジア各国では中国・韓国の勢いに押され気味・・な日本ですが、まだまだ各国の人々の日本・日本の技術に対する信頼感は強いです。
    また、長年に渡る資金や技術提供への感謝の気持ちから、親日家が多いのも事実です。

    今の「日本ブランド」を築き上げることができたのは、間違いなくこれまで・そして今なおビジネスの最前線を走る、ミドル・シニアの人々のおかげだと思います。

    閉塞感の漂う日本ですが、今も世界に誇ることのできる技術・経験が蓄積されているのです。

    まさに、若者・そして新興国のイノベータが身に付けるべき、アウトプットする力を持っている方々が身近にいたのです。

    しかし、残念ながら若い世代とミドル・シニア層の世代間の相互不理解により、これまで築き上げてきた日本のチカラは活用できていないのが現状です。

    むしろ世代間には感情的な対立すら存在し、互いを批判するばかりで チャレンジを後押しできない、上の世代に頼ることができないという事態でさえあります。
    (皆さんも思い当たる節がありませんか?僕はあります。。)

    ※クロスフィールズの小沼氏のエントリもご参考に→こちら

    XIPでは新興国でのビジネス共創を通じて、この世代間に横たわるギャップを埋め、経験ある人材が次世代リーダーを支える仕組みを構築し、もっともっと新たなチャレンジが促進される世の中を創り出したいのです。

    ビジネスの第一線を走り続けてきた経験者と、次世代のチャレンジャーが組み合わさることで相互に学び合う流れが出来上がるのです。

    XIPが越える2つのボーダー

    XIPは、国境と世代の2つのボーダーを越え、3つのプレーヤーて社会変革に取り組む仕組みです。

    世代を越える。

    次代を担う若者達を国内のミドル・シニア層がバックアップし、世代を越えて共に学び合い、新たな価値の創造にチャレンジします。

    国境を越える。

    次世代リーダー、新興国のイノベータ、国内ミドル・シニアの協業により、持続的なビジネスモデルの構築と、社会変革の最大化を目指します。

    メコン各国のイノベーター達と世界に活躍の場を求める若者、そして既存のボーダーを越えて自らの技術・経験を活かす場を求めるミドル・シニア層が繋がり、互いが互いを補完し合うことで、社会に大きなインパクトを与える相乗効果が生まれます。

    XIPが3つのチカラを最大化

    この相乗効果を最大化するのが、XIPです。

    いかに互いに補完し合う関係でも3つのギアは互いにぶつかり合い動くことが出来ません。

    XIPを介することで3つのプレーヤーの力がそれぞれに伝播し、より大きなモーメントを生むことが出来るのです。

    新たな時代に自らの挑戦を続ける次世代のリーダー、これまで蓄積した知見をフル動員し新たな変革を後押しするミドル・シニアの方々、そしてその力を追い風に社会的なインパクトの創出に取り組むイノベータ。

    ボーダーを越えた3つの力による社会変革、これがXIPの目指す世界です。

    これからのXIP

    XIPは年末~年始に向けて一気に活動を加速していきます。

    まずはベトナムの交通渋滞問題と若者の育成問題に取り組む社会起業家のビジネス構築支援を舞台に、クロスボーダーな学びの舞台、社会変革の取り組みを開始します。

    大まかな今後のスケジュールは下記の通りです。

    弊社ホームページ等を通じて、随時今後のアクションを発表してまいります。
    どうぞ、今後の展開にご期待ください!

    小原

    ————————-
    (10月11日追記)
    XIPのWebページオープンしました!
    説明会情報も掲載しておりますので、ご覧ください。
    Cross Border Incubation Platform

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