いよいよ年の瀬、2012年も残すところあとわずかですね。
私もベトナムに拠点を移してから、間もなく1年が経とうとしています。
月並みですが、月日が経つのは早いもんだと日々実感しています。
さて、そんなベトナムで結局小原は何をやっているの?と言われることがあります。
挙句の果てには、どうせ色んな国でビールを飲んでるだけじゃないの?などとのたまう輩も出る始末。
失礼な。
もちろんたまには
飲むこともあります。
たまにはね。
人間だもの。
国境と世代を越える社会変革のカタチづくり
草の根から世界を変える
これは新興国の様々な社会問題をビジネスで解決しようと奮闘する社会起業家達と日本の若者がタッグを組み、国内の経験豊富なミドル・シニア層からバックアップを受けながら、社会変革に挑む取り組みです。(この取り組みへの思いはコチラのエントリに書きました。)
私は今、来年以降、本格的に開始する国境を越えた共創の場を実現するための土台づくりをしています。
熱意だけでは越えられない壁
現在私はベトナムの4人の社会起業家たちと仕事をさせてもらっています。
彼らは善意による寄付ではなく、ビジネス手法を用いて持続可能な仕組みを構築し、経済活動を推進すると同時に、社会問題を解決しようとする起業家です。
社会起業家たちは、目の前の問題解決に取り組む高い志と情熱を持っています。
その一方で、持続的なビジネススキームの構築スキルが十分でないため、その活動範囲や社会的な効果が限定的であることがあります。
今、協業している起業家の一つを例に挙げましょう。練炭の生産会社です。
ベトナムでは中級以下の家庭では練炭での調理が一般的です。なぜなら日常的に使うにはガスは高過ぎるからです。
しかし、従来の練炭は燃焼効率も悪く、燃焼時に出る煙に含まれる有害物質により、長年使用すると人体に影響が出る事が分かっています。
そこで彼らは苦心の末、従来よりも燃焼効率が高く、有害物質を80%削減したクリーンな練炭の開発に成功しました。
開発に成功したものの、彼らは3つの壁にぶち当たりました。
- 製品の品質が安定しない
- 工場の生産性が低い
- 市場を開拓できない
ローカルへDeep Dive
上記のような起業家たちと日本企業・人の共創の場を創るための私のミッションは下記の3点です。
- 起業家との信頼関係の構築
- 日本との連携による効果を最大化できるビジネスプランの作成
- 日本での共感者の拡大
上記を実現するべく、彼らのビジネス状況の把握に始まり、ニーズ調査やマーケティングプランの立案など、彼らと共に進めてきました。
前述の炭の会社では想定顧客となる家庭を一軒ずつ訪問し、家庭での炭の使用状況を聞いて回りました。
これはまさに共創によってなせる業でした。
外国人である我々が訪問しても(たとえ私がベトナム人顔だとしても)、なかなか回答は得られなかったでしょう。そもそもどこを回ればいいかも分かりません。
共に未来に向けて前進し、それぞれがそれぞれの出来ることを全力に取り組み、新しい価値を創発していく。
言語も文化も異なる者同士、決して容易なことばかりではないですが、彼らの真摯な姿勢からの学びは大きく、同じゴールに向かってひとつずつ成功体験を積み重ねるという刺激たっぷりの毎日です。
日本との橋渡し
もちろん日本との連携も欠かせません。
ベトナムの起業家たちとの日々の状況、彼らが今求めているもの、そしてハバタクがXIPを通して実現したい社会について、折に触れてお話させていただいています。
この取り組みはベトナム側だけでも、日本だけも成り立ちません。
両者が共に創ることに意味があるのです。
ですので、「また帰ってきたの?」とか言わないでくださいね笑。
この取り組みには3つのプレイヤーがいます。
一つは前述の起業家たち。そして、次代を担う若者(New Leader)と持てる知識・技術・経験をもって日本から後方支援するミドル・シニア層(Co-creation Partner)。
3者それぞれが、それぞれのもてる力を出し合い、共に学び合い、社会変革に取り組みます。
国境と世代を越えて新たな価値を創りだすのです。
また、ベトナムローカルの起業家と共に問題解決に取り組んでいると、まさに日本が日本人が培ってきた技術や知識が、ここで求められているということを強く実感するのです。
これまで培ってきた技術や経験をもっと活かしたい。
自らの人生を自ら切り開くために、未知のフィールドに飛び込みたい。
そんな人たちと共に、新たな社会変革に取り組める日が来るのを楽しみにしています。
これまで一つずつ作り上げてきた仕組みが、ようやくベトナム・日本両国で形作られてきました。
焦らずおごらず着実に土台を作っていきたいと思っています。
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・・・というようなことを、飲んでる以外のときはやっています。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。
さて、今日はどこで一杯やろうかな。