生き方・働き方に応じて変化する、未来のワークプレイス


こんにちは、丑田です。
2012年最後の記事、何を書こうと考えましたが、、「ワークプレイス」について書こうと思います。
プロジェクトの中でワークプレイスの未来について考えたり、ハバタクとしても新たなワークプレイスが誕生したりと、2012年の一つの大きなキーワードだったためです。
Co-workingという働き方の増加や、最近はStanford d.schoolの実践をまとめた「MAKE SPACE」の日本語訳版が出版されたりと、世の中でも「ワークプレイス」について探究・実践する機会が増えてきていると感じます。

◆ハバタクのワークプレイス

ちょうど1年前の時点では、拠点とする場所は「ちよだプラットフォームスクウェア」の1つでした。

立地もコスト面も良いCo-working Spaceで、300社以上の会社・組織が入居していることもあって多分野・多業種の刺激があります。
大規模施設ならではのどっしりとした安定感もあり、ビジネスセンターから大中小会議室・カフェまで、必要な機能面は大抵そろっています。
ベンチャー企業ではオフィスに常駐していないケースが多いことや、他の起業家との交流から新たな発想やビジネスを生むこともあり、数名の会社の最初の拠点としてはとても使いやすい場所だと思います。
小さく借りて、大きく使う」というイメージです。
ちなみにハバタクの場合、以前の弊社長井記事に「オフィスにいたのは稼働時間の22%(週平均で1日強)」という結果が出ていました。

◆新たなワークプレイス@ベトナム ホーチミン市

そして1年前、ベトナムに新たなワークプレイスが生まれました。メコン圏での拠点としての位置付けです。
ビル1棟を複数人で借り、1階がCo-working Space、2階以上がシェアハウスという形態です。

面白ブロガー、ピザ職人、現地のベンチャー企業メンバー、さらには猫!も住んでいたり、門の前にはいつも氷を切るおじさんがいたり、かなりの面白空間です。
数名という小規模ならではの密な空間で、「ベトナムの地でも畳で和みたい」ということで最上階に畳を搬送したりと、ゆるくも真剣なワークプレイス。
夜は、現地起業家や、視察に来られた方々とのパーティーもしばしば行われています。

◆新たなワークプレイス@東麻布

ビジネス展開に応じて、この年末からは「01booster」というIncubation Share Officeを新たな拠点として増設しました。


「アジア」「教育」といったキーワードでビジネスを展開する魅力に溢れた起業家が多いことや、イベントスペースとしても非常に使いやすい場所であることが理由です。
上記をテーマとしたイベントも数多くあり、中規模ならではの多様性と密な関係性のバランスが取れています。
東京タワーが目の前にドーンとそびえ立つのもお気に入り。

大前研一氏が、人間が変わる方法として「時間の使い方を変える」「住む場所を変える」「付き合う人間を変える」を挙げられていますが、新たなワークプレイスは、これらを総じて満たしていることもあり、実際にベトナム/01boosterに関わる多くの方々から来年に繋がる芽が生まれ始めています

◆日常と非日常のワークプレイス

加えてハバタクでは、日常のワークプレイス(都市)と、非日常のワークプレイス(関東近郊の自然豊かな場所)を混ぜ合わせながら仕事をするスタイルが根付いています。
都心の喧噪やオフィスビルの中では、なかなか思い切ったアイデアや遊び心に溢れた視点、改めて全体を俯瞰してみる精神状態が得られなかったりします。
そんな時は、非日常のワークプレイスに移動してみるようにしています。山梨県清里や長野県の川上村・軽井沢など近郊の自然豊かな場所を活用することが多いです。
ポストイットと模造紙を車に詰め込み、行きの車でブレインストーミング、現地に着いて自然に囲まれながらディスカッション、温泉やおいしい食事でゆったりして、お酒を入れながらよりぶっちゃけ度合いの高いディスカッション。
深夜は持ち込んだ楽器で演奏を楽しんだりして就寝。翌朝、クリアな頭でぐっとまとめ切る、という流れ。
これはとてもオススメです。(きっと、病み付きになります!)

◆サブ・ワークプレイス

最後に、自社ワークプレイス、非日常ワークプレイスに加えて、「サブ・ワークプレイス」をご紹介。
教育分野のプロジェクトが集中している千葉県柏市では、キーマンがいつも集まるローカルカフェや、オープンなワークプレイスの存在が欠かせません。これらは、地域に根ざした活動の拠点として、とても重要な場所となっています。
都心のCo-working Spaceのドロップイン利用も、まさに「サブ・ワークプレイス」のニーズを捉えたものです。

◆ワークプレイスの未来

実は、「これら全ての家賃と非日常の移動・宿泊費、お茶代を合わせても、都心に一部屋借りる場合よりも安い」のです。
共有できるものはシェアする」ことで、コストはぐっと下がりました。
ものすごい時代になったものだと実感します。

以前は「オフィスを移転する」というのは民族大移動並みの大事でしたが、今は
・成長ステージやビジネス状況に応じて、柔軟にワークプレイスを拡張・縮小する
ことができる時代になりました。
ビジネスの変化の速度が上がってきていることで、より重要な考え方になると思います。

社会に「創り手」が増えていくほど、「組織を超えて共創する」ことが増えてくるほど、ワークプレイスの位置付けは変わってきます。(創り手社会・自給自足型社会についてはこちら
・機能的な要件に留まらず、いかに価値の創発に寄与するか
が極めて重要で、そこには「どんなコミュニティ・スペシャリストとの関わりがあるか」というソフト面と、「いかに創発が起きやすい空間たりえるか」というハード面の視点があります。

ワークプレイスの規模においても、働き方の変化やテクノロジーの進歩、シェアの価値観も相俟って、1人1固定席の必要性が低下し、「ワークプレイスの縮小化」が起きていくと予想されます。コンサルティングファームなどでは全社員の2割程度の席しか用意していない場合が多いのですが、前職のIBMでも数年前にフリーアドレス制を導入し、大幅にオフィスを縮小しました。
(大量消費・大量生産時代が終わり、組織規模自体が小さくなっていく、という側面もあります。)
言わずもがな、必ずしも全員にとってフリーアドレスが最適解ではなく、価値の創発という視点では、IDEOのように自分だけの席(遊び場)を持ちつつ、キャスターで移動してプロジェクト単位で集まれるようにする、という設計思想も重要です。

「日常と非日常の組み合わせ」「都心と地方・海外の組み合わせ」もキーワードです。
課題が複雑になればなるほど、多様な人が絡めば絡むほど、「シチュエーションを思い切って変えてしまう」ことの効果は出てくると思います。
加えて、テクノロジーが進歩して、F2Fの仕事以外は世界中どこにいてもできるようになりました。Skype、Googleのクラウドサービス、Facebook、Dropboxあたりがあれば殆ど困りません。(しかも全部無料!)
前段落に上げたような短期での活用に限らず、最近では、夏期だけニセコリゾートをワークプレイスに使うというアイデアや、緑豊かな場所(徳島の神山町など)にサテライトオフィスを持つ、といったケースも出始めています。目的や、会社・人のポリシー(のどかな場所で働きたい・海沿いで働きたい、など)に応じて、オートクチュールに創っていける時代の幕開けです。

以上のようなキーワードは組織の規模に関わらず、ベースの思想として、適用できるものだと思います。

もうすぐ2013年。これから1年後の自分達のワークプレイスがどう変化しているか、今からかなり楽しみです。
ハバタクのワークプレイス、是非遊びに来て下さい。
それでは、よいお年を!

丑田俊輔

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>