昨日に引き続き、Co-Creation Journey for Innovation の様子を、池野がお伝えします。
今日のプログラムのメインは、社会起業家からベトナムの社会課題についてレクチャーを受けること。
昨日のベトナムディープダイブよりも、もっと”課題”にフォーカスをしてインプットを行いました。
~ベトナムの予防医療の先駆者 “HELLO HEALTH”~
Hello HealthのTuan氏 |
まずは、ベトナムで予防医療の普及に取り組むHello HealthのTuan氏を招き、ベトナムのヘルスケア問題についてお話を伺いました。
なぜ、このクラスに参加したか、というTuan氏の問いに、日本人参加者からは「起業がしたいから」「アジアの状況を直接見たいから」といった声が聞かれました。
Tuan氏によると、生活環境の改善だけで、ほとんどの病気を防げるにもかかわらず、ベトナム人は健康維持のための予防という概念をほとんど持っていないそうです。
そこで、Tuan氏は、根本原因は何か(WHY)を突き詰め、ニーズを捉えたサービスを開発し、多くの人の生活環境改善・健康維持へ貢献してきたそうです。
高齢化社会の日本でも、ようやく予防医療が注目されはじめていますが、日本とベトナムのように国の状況が違っても、共通する課題を持っているということ気づけるのは共創の大きな機会だと感じました。
昨日のLSPワークショップの際、あるベトナム人参加者は「日本は発展している国で見習うことが多い」という話をしていたり、ある日本人参加者が「日本から何かを与える」という話をしていましたが、必ずしもそのベクトルは一方通行とは限らないのではないでしょうか。
Tuan氏の講演から得たファクト等を整理中 |
~投資家と社会起業家をアジアでつなぐ”Shujog”~
つづいては、Preparing the ground for impact investmentをポリシーに、インドやカンボジアなどアジアの様々な国で、投資家と社会起業家をつなぐプラットフォームの運営をおこなっているShujogのHuong氏にお越しいただきShujogの事業概要や、社会起業家や投資家の抱える課題をお話いただきました。
Huong氏から日本の社会起業家や支援組織を聞かれ、日本人参加者はマザーハウスの事例を紹介していました。
個人的に感じたのが、日本はこうした投資において大きく機会損失しているのではないか、ということです。
私や浅岡が支援している社会起業家とは英語でコミュニケーションをとっていますが、彼らと共創できているのも、まずは言語という最初のハードルをクリアしているからにほかなりません。
日本の企業でも、潜在的投資価値があったとしても、外部への発信がうまくいかずに、投資機会を逃している可能性は大いにあるのではないでしょうか?
資金調達を模索している社会起業家のために、投資機会を増やすShujogのような中間支援組織があるのでしょうが、グローバル環境において英語での発信は欠かせないものだと思いました。
~ベトナム初の聴覚障がい者向け民間支援機関”CED”~
昼食後、ベトナムの聴覚障がい者を支援するCEDという機関を訪問し、代表のHanhさんから、ベトナムの聴覚障害者の抱える問題や、CEDの事業内容についてお話を伺いました。
Hanhさん自身も聴覚障がいをお持ちですが、ベトナムの技術系大学を卒業後、エンジニアとして一般企業に勤めたのち、ベトナムの聴覚障がい者へ支援をおこないたいと2011年にCEDを設立されました。
ベトナム人参加者の大半がハンさんと同じ大学出身だったようで、みなさん興味津々に話に聞き入り、活発に議論していました。
私もHCMでHanhさんと働き始めて感じましたが、聴覚障がい者は生活の中で様々な問題を抱えているにもかかわらず、他人から気づいてもらえないという二重の問題があります。
今回のツアーで、参加者がどんな課題に気づいて、どんなアイデアを考えるか今から楽しみです。
(池野真史)
シェアリングもなれてきたよう |